代表メッセージ

もう少し効率よくできるのではないか

私は本事業の創業者ですが、経営者としては2代目になります。技術者であった父は福井県で繊ネームのデザイン製造事業を興し、自宅工場で朝から晩まで働いていました。仕事中心の父と共に子供として複雑な思いがありましたが、仕事をはじめてみると同じように休みなく働いてしまう私がいました。テレビをつければ「24時間戦えますか」というCMが流れていた時代です。ほかの人の倍の時間働けば、成果が出て当然。しかし結果として私は身体を壊し、人生の軌道修正を余儀なくされたのです。何かを犠牲にするのではなく、バランスを取って生きていく必要を痛感しました。

自身の事業をはじめてから一貫しているのは「この国の企業を元気にしたい」という思いです。人々の暮らしを支えるのは仕事であり、仕事を生み出すのは企業であるからです。真面目にコツコツ働く企業がもっと効率化を図れるようにすること、そういった人々が報われる世界をつくりたいと考えたのだと思います。インターネット黎明期のウェブサイト構築、業務改善のためのシステム構築、商品を一斉に広めるクラウドサービスも、この想いに根ざすものです。もう少し効率よく、選択よくやれるのではないか。こういうものがあれば、仕事をもう少し早く終えて子供との楽しい時間をつくり、人生をさらに豊かにできたのではないか。

テクノロジーを人間らしい生き方のために

時代は代わり、ワークライフバランスが謳われる世の中になりました。テクノロジーは進化を続け、誰もがスマートフォンを手にし、インターネットを通じて世界中の情報を手軽にできる時代です。従来とは全く異なるスピードで、物事が処理できるようになりました。それなのに人間が疲弊し減っているように感じられるのはなぜでしょう。世界のどこにいてもリアルタイムにメッセージが届く一方で、返信をしなければという思いに急かされる。処理スピードが上がったぶん1日のタスクが増え、AIに負けないようにと勉強を求められ、SNSへの対応が求められる。一方で、誰かに見せるもののことばかり考えている。テクノロジーが必ずしも豊かさに繋がっていないように見えるのです。

どうあるべきかの答えは簡単ではありませんが、私たちはチャレンジし続けたいと思います。テクノロジーを、人にやさしい形で活用することで、ネットだけでなくリアルを大事にし、人間らしい生き方を求めていきます。

代表取締役社長 浅地紀幸