経営者は孤独だから、とよく言われます。私は、生まれた時から2世であり、経営とはこのようなものだと、取り立てて孤独を意識して過ごしていません。そのため孤独の意味をいつも考えます。常日頃は、社員に囲まれ、顧問に接し、友人との接点もあり、家族との団欒もあり、孤独という感じではありません。ただ、ひとたび決断を下す時、その決断の行方に思い至る時、その時は本当の孤独の境地に身を置いている感を強く受けます。当事業部の創設時にも、私は失敗した時の会社、ひいてはクライアントへの損失補填の覚悟という意味で何千万円もの生命保険に入り事業をスタートしました。今は、その比ではなくなってきています。決断は全身全霊を懸けての勝負事です。立ち直れないほどの失敗は、会社と共に一人個人も消えゆく運命という点で、孤独なのかもしれません。